詩人:はるか | [投票][得票][編集] |
小さな種をまいた
彼女と世話をした
毎日、種に話をした
僕たちのはなし
未来のはなし
君は時々うなずいたり
そっぽ向いたり
僕らを振り回したりした
彼女は嬉しそうだった
本当はちょっぴり
つらかったのかもしれないけど
僕はそんな彼女が
たまらなく愛しかった
やがて
小さな種は
産声をあげた
空っぽになった
お腹を見て
彼女は寂しいと言った
どうして?
と僕が聞くと
だって、毎日つながっていたんだもの
そう言って
伸びたお腹の皮をつまんで
ほんのりと笑った
僕は彼女の答えが
よく分からなかったけど
笑った彼女が
とても誇らしげで
眠る君は天使のようで
それを見ている僕は
たまらなく
たまらなく
守らなきゃいけないと
思ったんだ
君をこの手に抱いた
とつき11日目
僕が君と
つながった日