ドアベルを鳴らすと
いつもの香り
あなたに会ってから
この味を覚えた
遠い目をしたあなた
窓の外は
楽しげな恋人達
いつかの
二人がダブった
「私はあなたの為に
何が出来たの」
あなたは
ゆっくり微笑んだ
首を斜めに傾けるのは
困った時のあなたの癖
ほろ苦い
夕暮れコーヒー
長く伸びた影法師
不意に届いた手
私のカップに
落とした角砂糖
「君らしくいてくれたら それでいい」
背伸びの恋の幕切れに
手渡された自由
あなたの好きな
ほろにがコーヒーは
やけに甘くて
少しだけ涙の味がした
2006/11/19 (Sun)