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はるかの部屋


[83] 送り路
詩人:はるか [投票][得票][編集]




時は止まることなく
ゆっくり流れていく

すすり泣く声は
どこか遠くて

現実との境が
うまく見つからない



手入れの行き届いた庭は
今年もやがて
白い花が咲くだろう

あなたが慈しんだ
ものたちが

今は静かに
息をひそめて

水面(みなも)の月を
眺めてる



薫る五月の風にのり
あなたが運んだものは
何だったかと
思わず問いかけて
口をつぐんだ


言葉にするには
もどかしく
留めておくには
しのびなく

ただ ただ
冷えた腕をさすり

有りし日の面影を
なぞるだけなのです





2007/05/19 (Sat)

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