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ナナエの部屋


[114] 本を詠む
詩人:ナナエ [投票][編集]

本の中の主人公が
とても綺麗で愛しくて

一緒に泣いた


作りものだとわかっていても
その物語を
言葉で感じ
心で感じて

流れる涙は
まぎれもなく本物だった


目の前で語られる
造られた言い訳や嘘には
同情すら抱かないのにな


フィクションで産み出された
ノンフィクションの感情なんて

現実では考え難い
矛盾の産物

人間はこんなにも
騙されやすく脆いこと

思い知らされているようだ


それでも
本を読むことを止めないのは

信じようと思える人間が
崩れても立ち直れる自分が

きっと存在すると
知っているから

なんだろうか

2012/09/01 (Sat)

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