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ケンケンの部屋


[6] ヘアーカット
詩人:ケンケン [投票][編集]

僕は茶髪に長髪
行きつけの美容院は今日は臨時休暇で
僕は訳の分からない床屋に入った

床屋のオヤジはやけに気さくに話しかけてきた
僕は愛想笑いをしながら僕の髪を切られるのを鏡で眺めてた

いつから僕はこんなに愛想笑いがうまくなったんだろう
いつから僕はこんなに嫌な人間の対応がうまくなったのだろう

茶色だった色が黒く染まっていく
少年だった僕が徐々に大人になっていくように
長髪だった髪が切り落とされていく
少年の頃の思い出がはがれ落ちていくかのように

シャンプーしてもらっている間にふと脳裏をよぎった僕の詩
『大人になることは怖いことじゃない 辛くて苦しくて涙がこぼれ落ちたならそれは一歩大人への道を歩んだっていうこと』
オヤジは何か言いながらドライヤーで乾かしてる
僕は相槌をうつのが上手

鏡に映った新しい自分を見て
『あの時よりは詩を書くのがうまくなったかな』
心の中でつぶやいた

鏡に映った新しい自分を見て
『こうやって大人になっていくんだな』
心の中でつぶやいた

少しだけ大人になった自分
鏡に映る新しい自分
『これからよろしくな』心の中でつぶやいた

2008/01/29 (Tue)

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