詩人:ケンケン | [投票][編集] |
『雨があがってもすっきりと晴れません』
つけっぱなしのテレビから聞こえてくる天気予報
部屋には脱ぎ捨てた衣服と食べ散らかしたジャンクフード
この空模様は僕の心象風景だ
この部屋の光景は僕の心象風景だ
久しぶりに電話のベルが鳴る
しばらく会ってない母親の声
温かみがありどこか懐かしさの感じられる声
『体調は大丈夫?風邪ひかないようにね』
優しく語りかけてくれる電話の声に思わず涙腺がゆるんだ
そうだ 僕が幼かった頃
夕焼けの二人の影 僕の方が小さかった
今は追い抜いているのかな
いいかげん大人にならなくちゃ
母親の声をきくたびにそう思う
つけっぱなしのテレビを消して外にでた
夕焼けがうつしだす影はひとつだけ
あの頃より大きくなった影
あの頃と同じ夕日
変わってないのは僕のハート
いいかげん大人にならなくちゃ
もう大人にならなくちゃ