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ケンケンの部屋


[7] 大きくなった影
詩人:ケンケン [投票][編集]

『雨があがってもすっきりと晴れません』
つけっぱなしのテレビから聞こえてくる天気予報
部屋には脱ぎ捨てた衣服と食べ散らかしたジャンクフード

この空模様は僕の心象風景だ
この部屋の光景は僕の心象風景だ

久しぶりに電話のベルが鳴る
しばらく会ってない母親の声
温かみがありどこか懐かしさの感じられる声
『体調は大丈夫?風邪ひかないようにね』
優しく語りかけてくれる電話の声に思わず涙腺がゆるんだ

そうだ 僕が幼かった頃
夕焼けの二人の影 僕の方が小さかった
今は追い抜いているのかな

いいかげん大人にならなくちゃ
母親の声をきくたびにそう思う

つけっぱなしのテレビを消して外にでた
夕焼けがうつしだす影はひとつだけ
あの頃より大きくなった影
あの頃と同じ夕日

変わってないのは僕のハート
いいかげん大人にならなくちゃ
もう大人にならなくちゃ

2008/01/29 (Tue)

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