詩人:キンタ | [投票][編集] |
見慣れない浴衣姿に浮かれる僕をいつものように茶化し
ほら
又その笑顔
いつだって君は僕を引きつける
嬉しそうに綿飴を食べたいって走りだしたり
少し目を離せば袖を揺らし金魚の様に人混みを泳いで行く
小さな頃は金魚がすくえず泣きじゃくった僕だけど
同じ出会いは無いと分かったから
追いかけて君の手をぎゅっと
頬を赤くした君は『林檎飴を食べすぎた』
なんて照れ隠しし握り返してくれた
太鼓か鼓動か分からない程の緊張が僕等を無言にさせ
花火の音が沈黙に響く
『綺麗だね』
僕は君の顔を見て呟く
『綺麗だね』
君は花火を見ている
まだ僕等の視野は一つじゃない
窮屈な人混みじゃ二人で泳ぐには難しすぎるんだ
帰りにはこの気持ち伝えよう
僕は君と同じ空を見上げた。