詩人:明希 | [投票][編集] |
檻に閉じ込められた
鉄格子の柵は
太く冷たく
檻の中は
意外に広ク
シガミツイタ柵を
軸として
半径は3メートル
他は何も見えない‥‥
真っ暗な‥‥‥‥闇しか見えない
小さな小さな名も無き世界
50音は
手枷となり
足枷となり
縛り付けるのか
それでさえ
括られた苦痛なり
それでさえ
縛られた違和感なり
何かに
縛られなければ‥‥
生キテハイケナイノ?
声は
確かに疑問符を投げかけてくる
ある日の僕は
スタンドに立っていた
エンターティナーの居ない
先に向けられたマイクフォンは?
観客の居ない
席に置かれたパンフレットは?
そして僕は壇上に立ち
何かを
叫んだなら―‥?
その声は
確かに響いた
そして音の無い空間に
ぽつり、と落ちただろう
檻の中で
そんな事を考えていた
無力だ、と呟く声さえも‥‥
いつかは音を失ってしまうんだ