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明希の部屋


[9] 神様に近い場所。
詩人:明希 [投票][得票][編集]

そこには、何度も行った事がある。
 
―――苦しい時、辛い時、悲しい時、弱くなった心が、何かを頼りたくなって、有りもしない希望を眺めてしまうんだ。
 
 
大切な人を大切にできないのは辛い。
 
 
現実を受け入れないのは悪い癖。
 
人を殺す覚悟なんか、僕には無理だ。
 
無知故に、奇跡を信じてられただけだったらしい。
 
 
「また諦めの良い子になってしまったなぁ」
 
誰ともなく、呟くのは自分自身。
まるで他人言。
 
―――出来る事なら、天国を見たい。そう思って空を仰いだ。昨日も今日も、一昨日も、気付いて見上げた空は、嗚呼、青い。ただ、そう思った。
 
淡々と様子を眺めている自分を、上の空の僕が眺めている。
 
肝心の気持はどこへやら,,,

ふわり、と飛んだ膨らんだもの。
 
ぱん、ぱんっ、と手を叩いて引き戻された意識は、罪悪感だけを残していく。

―――神様の元に出向いて、答えを尋ねるなんて芸当はできなくても、空を飛びたいと願うよ。
 
少なくとも此処に居るよりはー‥ずっとマシだから。
 



始まりの場所を想ったら、そこは迷宮、暗闇で、二度と出られないラビュリントス。
迷宮の住人は、抜け出す気力さえなくしたら
そこに住まう怪物と一緒なのかもしれない。
 
―――ねぇ、迷ってるよ。
現実には帰りたくない。

2006/11/26 (Sun)

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