詩人:KiraAya | [投票][編集] |
私は生まれた
だから生きたかった
術は知らなかった
食べて寝て動いていた
そうして大きくなって
子を成して死ぬのだと
思われていたに違いない
そうはならなかった
のこのこと迷い込んだ檻
何かに捕らわれて息が出来ない
五体が黴びてゆく
明るい外の光の中に
私を映す二つの黒い円形
あれは私を捕らえたものだ
あれは私を殺すものだ
黒い君よ
君の中に私は残るのだろうか
こんな小さな私の生命と死が
君の中で意味を持つだろうか
薄れてゆく意識の奥で
詩が聞こえた気がした
外の光は明るいのに
ここはとても冷たい
怖くはないが とても淋しい
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救いの言葉が聴こえない
祈りの言葉が解らない
這い上がった先に何があるの
幸せが安らぎが本当にあるの
高みにのぼることに喜びが見いだせない
底辺で喘ぐ方が似合っている
俺は死ぬまでうまくいかない気がするんだ
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死のうと思い続けないと生きられない
いつか どこかへ消えてゆく
君が知らないフリをしてくれると願ってる
海を見に行こう 海を見に行こう
そして死のう
いつだって僕は全てを捨てられる
その前に
海を見に行こう 海を見に行こう
たくさん詩を書いて死のう
たくさん絵を描いて死のう
たくさん笑って死のう
君を愛してるって言おう 身勝手に
君がすぐに忘れてくれるって願ってる
生きることが大切じゃなくなれば
時間は山ほどあるんだ
だから 何だって出来るさ
空だって飛べるはずさ
いつか どこかへ消えてゆく
死のうと思い続けないと生きられない
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私を愛していると言いながら
私を突き放したヒト
私を愛していると言いながら
私を痛めつけるヤツ
あの人は笑わない
あいつは笑ってる
あの人は私を抱いてくれない
あいつは私を抱きしめている
あの人は嘘をつく
あいつも嘘をつく
私はとても弱い
私はとても弱い
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何も言わずに死にに行こう
携帯とiPodと財布、ノートとペンだけを持って
お気に入りの指輪とネックレスをつけて
死にに行こう
その前にやることをやるのさ
生きることが大切じゃなくなれば
時間はいくらでもある
明日がなければ今日は長いのさ
水族館に行こう
動物園に行こう
サーカスを見に行こう
パレードを見に行こう
教会へ行こう
海を見に行こう
あの人を探して謝ろう
詩を書こう
優しい人と話そう
悲しい人と話そう
死にに行こう
残してきた人たちは
僕の携帯にメッセージを送るのかしら
そしたら「ありがとう」って言おう
誰ひとり泣いたりしないかしら
それでも悲しくない淋しくない
僕は生きる価値のない人間です
僕は役にたたないゴミです
僕は生きる術を持たない
僕は生きてはいけない
父さんに逢いに行こう
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優しい人が泣いていたのを知っていた
俺のせいで傷ついたことを
俺が気がつかないように
俺が傷つかないように
隠れて泣いていたのを知っていた
今もあの時の気持ちのまま
俺は
許されているだけの人間だと
知っている
価値なんかない俺が
優しい人間に許されて
ここに生きているのだと
知っている
それはやっぱり愛なんかじゃないんだ
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独りなのは知ってる
どうしようもなく淋しがってることも
だけど それが どうした
それはただの事実だ
癒されることなんて求めない
欲しがっても欲しがらない
一人で泣いてそして終わり
繰り返して生きていけばいい
誰も求めたくなんてない
優しくなんてされたくない
そんな傷つけ方は二度としたくない
この汚れた手でそのシャツの端を掴むなんて
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自分がそばにいることが他人の支えになるはずだと考えることの何という自惚れ
誰も汚れた手で触れられたくはないし
臭いものに近づかれたくはないものだ
自分はそうではないと考えることの何という自惚れ
自分が他人に奉仕すれば感謝されて当然だと考えることの何という自惚れ
自分の努力が認められて当然だと考えることの何という自惚れ
自分が目障りではないと考えることの何という自惚れ
自分の命に価値があると考えることの何という自惚れ
自分には幸せになる権利と資格があると思うことの何という驕り
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誰かに愛されることが
どうしても出来なかったから
誰からも愛されないものを
愛したかった
愛されるだけの価値と
その理由を持たなかったから
価値のないものを
理由もなく愛したかった
くだらないもの
つまらないもの
汚いもの
醜いもの
害をなすもの
忌み嫌われて
馬鹿にされて
憎まれて
それでも
許されることだって ある
その事実だけが
僕を繋いでいたから