詩人:KiraAya | [投票][編集] |
湯に浸かって何気なく
両の手で水鉄砲を作った
こんな遊びをいつ覚えたのか
思い返せば それは父の直伝
画家であり詩人であった彼に
今なら教わる事は沢山あるのに
僅か一握りの記憶に残るのは
他愛ない遊戯だけかと 苦笑い
それでも
ただひとつの形見に違いない
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やめてよ
あたし疲れてるの
触らないで
眠りたいの
あたしのことなんてどうでもいいのね
満たされたいだけなんだわ
痕をつけてほしいと懇願する
誰に見せびらかしたいの
あなたは寂しいだけなんだわ
あたしを愛してなんかいない
幸せでなんてあるはずがないでしょう
あたしが毎晩泣いていたと
知っていたくせに
やめてよ
あたし疲れてるの
好きにすればいいわ
勝手に触って脚を開いて
貪ればいいわ
あたしは眠っているから
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黙って空を見上げた君が
瞳の青に昇って行きそうで
僕はその手を掴んで
離したよ
真昼の街角 煉瓦の壁にもたれた君
失うことがあんなにも怖かった
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「お前は私が憎いだろう?」
「どうして?」
「私はお前を酷く扱うからだ」
「お前は私を嫌い?」
「嫌いじゃない」
「じゃあ酷く扱われるのは私のせいだ」
「私は何も悪くないか?」
「お前は悪い人間だね。でも私は見捨てないよ」
「お前は私の何だ」
「お前は私の何」
「他人だ」
「私はお前と生きたい」
「私はお前を殺したい」
「私はお前に殺されたい」
「くだらない」
「でもほんとうさ」
「お前が消えてくれればいい」
「泣き言なんて」
「でもほんとうだ」
「じゃあ殺して」
「じゃあ死ね」
「悲しんでくれる?」
「苛々するんだ」
「私を嫌い?」
「嫌いじゃない」
「どうして私を傷つけるの?」
「どうして私を苦しめるんだ?」
「私はお前を愛してる」
「お前は私を憎んでる」
「お前は私を信じないね」
「お前は私を信じない」
「お前が嘘をつくから」
「私が嘘をつくからだ」
「私は」
「お前を」
強い眩暈を引き起こした感情の正体を、私は知らない