慟哭する様に独りの部屋に叫び上げて夢のなかに迄もうめき声が拡がるように海の彼方を想い描くのたしかな宇宙は、光の結晶(あめ)降らせて、すぎ去った記憶が、訪れ来る起因になるのならば、幾億の事象の微風(かぜ)に触れられながらも、かざした意思を舞い上がらせて、ひび割れそうな世界さえも再構築させられるのだから。
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