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さみだれの部屋  〜 投稿順表示 〜


[102] ブルー
詩人:さみだれ [投票][編集]

窓辺に佇む
あなたは月を眺めて
いつも楽しそうな横顔を
少し曇らせていた
まるでこれから世界が終わるかのように
静かに月を眺めて
何を思ってそこにいるんだろう
誰を思ってそこにいるんだろう

ツキがないと嘆く
あなたは遠い目をして
これから朝が来ることも
忘れてしまったのかな
まるで世界にひとりだけになったように
どこか遠い目をして
さみしさを紛らすように
話しかけてくるけど
あなたの言葉はいつからか
聞き取れないほど小さくなって
応えられないときにはもう
いなくなってしまった

2011/05/26 (Thu)

[103] 理解不能
詩人:さみだれ [投票][編集]

好きなのに別れる
その意味がわからない
好きなのに忘れる
その理屈がわからない
好きだって気持ちにあれやこれやと
くだらないものくっつけて
それで泣いたり笑ったり
どんな仕組みになってるの
好きなら好きでいいでしょう
それ以上に何がほしいの
愛してるなら愛せばいいでしょう
そんなことで何を躊躇うの

相手を思う自分が好きなの
愛してるの言葉も嘘なの
相手を信じられないで
相手を思うなんてあり得るの
わからない

2011/05/26 (Thu)

[104] 光の点滅
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マリンブルーの髪の毛に
紫の煙が染みてくる
馬車に乗れない王子様の
苛々した貧乏ゆすり
そう
なんだって許せるわけじゃない
だからこそ許せるところを愛しているの

風のない町の時計塔
青い空にもやる気は感じられず
時間がないと焦る者
時間が感じられないから
そうやって歳を取って
いくつになったかも知らないまま
生きられたらいいのに

バビロンが見えたとき
僕らはまだ知らなかった
あれが人柱だってことも
神様に会うためだってことも
そう
それだっていつかは壊れて
悲しみに浸る
だからこそあり続けるために
頑丈に作る

ほどけないように
壊れないように
忘れないように

2011/05/27 (Fri)

[105] カーテン
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窓ガラスにすがりつくカーテン
外に出たいと泣きじゃくってる
パタパタするのが嫌なのか
君はカーテンを外してしまった
"風と恋人だったんだ"
そう言おうとしたけど言えなかった

小さい頃にカーテンに包まって
窓の外を見ていた
たぶんそのときの僕とカーテンは
同じ気持ちだったんだと思う

風が入るのが嫌なのか
君は窓を閉めてしまった
"たまには換気しようよ"
そう言ってまた窓を開けた

2011/05/28 (Sat)

[106] 晩年
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カウチに腰を沈め
来るはずのない客を待っていた
それは黄金のステッキを持ち
白い羽に憧れた同志だ
今となっては喋ることもままならない
痛ましい姿

救いを求めるのであれば
救わなくてはならない
まだ無垢で美しいその手では
できることなど少ない
心の中なら何とでもなるさ
そうもならない現実に生きているのだろう

積み重なった感情が
私をカウチに縛りつける
消えてくれない暖炉の火
安心して眠ることもできない
今、ノックが聞こえた
そんな夢を見たのだろう
白い羽が見えたような
たぶん、もう私は眠っている

2011/05/29 (Sun)

[107] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

虹はどこにあるんだろう

あの夢の女の子はどこだろう

心はどこにあるんだろう

そして胸が痛むのはなぜだろう

あなたを思うこと

心はどんな形だろう

雨を吸ったシャツ

あたたかいお風呂

そしてまた夢を見るんだろう

虹はまぼろし

昨日の雨が今日になってうれしくなった

2011/05/30 (Mon)

[108] 心(過去)
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することがない
そう言って天井ばかり見る
あなたの生活は見た目にはとても退屈そう
でも心の中では
渦を巻くようにのみ込まれ
砂の山にさらに砂をかけ
とても苦しそうなのです

誰も知らないあなた
あなたは救いを求めてくる
本当のことを言わない
それでどうして救えるのだろうか
頭の中では
楽しいことを夢想し
でも心の中では
羽が生えることばかり願うのでしょう

人間であることを
生きていることですら愚かだとする
なにものも、生きていない、ということを
知らないというのに
あなたは眠りにつく
夢の中では
たくさんのものや
たくさんのことが待っているのです

2011/05/30 (Mon)

[109] メリーゴーランド
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前の馬車が遠すぎて
いつまでたっても追いつけない
君が振り向くことはない
僕が振り向くことも
世界がこんな風に回るから
会えないんだとしたら
世界が回るより速く
君に追いつけばいい
なのにずっと追いつけなくて
夢でも見ているような
遠い幻影
安くないチケットで
世界は回り続けてる
止める人はもういない
君が振り向くこともない
それはたぶんいいことなんだろう
だから僕は振り向かず
追いつこうと走ってる

2011/05/30 (Mon)

[110] 
詩人:さみだれ [投票][編集]

夜がない幸せを
ずっと欲しがった
朝なんて来なくていいと
ずっと呪っていた
見なくていいものを見ることが
一番苦しくて
見たいのに見られないことが
怖くさせる
心は暗くならず
むしろ明るく照らされる
そこにあるものが嫌で
逃げ道を探す
誰かのために夜があるなら
誰かのために昼がある
だからどちらかを捨てて
生きることができる
でもどちらも知らぬ間に
手に入れてしまうものだから
今悩んでいる
思い出したくはないんだよ
だから昼をくたくたになるまで生きて
夜死んだように眠りたい
こんな詩を書くことも
夜のせいにして
叩きつけたいんだよ

2011/05/31 (Tue)

[111] 愛の詩
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世界は愛に溢れている

そうあなたは知っている

雲が隠れるほどの涙を

どうか流さないで

いつでもあなたの耳に

楽しいことや素敵なことを

世界は愛に溢れている

苦しくはないよ

イヤホンも夜の闇も

ぬかるんだ泥も

それらを捨ててこその

僕とあなたなのだから

2011/05/31 (Tue)
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