詩人:さみだれ | [投票][編集] |
あなたを思う日に
あなたが幸せなら
私は毎日
あなたを思っているから
安心してください
魂がぽろっと落ちて
私の目が一切光をうつさなくても
心のどこか知らないところで
あなたを思っています
生や死など放ってしまって
それでもあなたが幸せならば
私はいいのです
しかし
私は生きなくてはなりません
いいえ
私は生きたいのです
何よりあなたのそばで
あなたの幸せを共に感じたいのです
不規則な風に身を踊らせても
あなたの心にはおよそ近づくことはできません
生真面目な音に付き従っても
あなたの心など離れていくばかり
私が生きるのは
不鮮明な湖のほとり
月影の目になりながら
あなたを思っています
それは今日であり
昨日までと
そしてこれからでしょう
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難しいことを考える時間は終わりました
私は青い空がなぜ青いのかを考えるのではなく
ただ青い空を飛んでいる鳥を眺めます
私が神様然としていても私はやはり神様ではないので
人間に落ち着こうかなと思います
恋の楽しさをあらゆるものに例えられる感性を
人生に疲れないためにも
養っていきたいものですが
何せ歯痒い思いなどもう勘弁願いたいのです
大の字に寝転がることすらできないのであれば
人間というものはひどく敏感になりすぎたのではないでしょうか
しかし世界にひとりきりというわけではないので
どうしても窮屈に思えるのが世の不便です
とっても面倒なのです
私たちは公平に陣取りすらできないのでしょうか
あるひとつの天体が役目を終えました
奇跡の星と称され大切にされてきたはずのその天体は
今ではメタンや炭素が綺麗に畳まれた布団のように重なりあい
とても苦しそうに息をしていました
不気味な大気が地表を覆い隠し
衛星は見限りました
支配者は誰でしょうか
私は顔も名前も知りませんが
ここにいてもいいのでしょうか
ただ与えられたものを手に取り
与え続けていますが
この果てなき茶番をどこで終え
そしてその後には何が残るのでしょうか
人間らしく考えることすら空しく思えてきたのです
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優しい存在が私を殺す
無性に嬉しくて堪らない
まだ見ぬ希望?
遠くはないだろうね
僕は背中を無くしたんだ
羽だって生えやしないよ
飛ぶことさえままならないけれど
可能性ならまだあるさ!
たちまちそうなる話じゃない
つまり夢
滑稽な作り物
いざないたまえ〜
ここにいるよっ
それは優しい優しい
愛されなきゃいけないモノ
おいでませ!
ここですよ
影の懐に飛び込みなさい?
愛されて疲れちゃうわ
だったらねぇ
ここにきなよ…
腹一杯ご馳走するよ
素晴らしい価値観
安心の命
低価格の満足をあなたに!
それは優しい優しい
愛されて当たり前のモノ
(よくできた擬態とは違うわ)
願うなら好きになさい
ほ〜ら早く早く!
始まるなら唐突がいいのかな?
そう思うならさぁ
ここにきなよ…
三日月なんて
すごいとんがってるよ
思い出だって待ち兼ねてるよ!
なんてったって
優しいんだから
ぐずぐずしてないで
ね
私が天秤を揺らしたから
世界は暗転してしまい
みんな夜の底に身をおいたのです
彼が座標に示したから
世界は居場所をなくし
みんな宙を漂うのです
君が手紙を寄越したから
世界は言葉を失い
みんなひとりになったのです
彼女が死を見詰めたから
世界は動かなくなり
みんな道に迷うのです
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僕は本音が怖い
だから詩にもできない
正当化された頭の中は
おかしな生き物が住んでる
そいつの話はすべて本当で
僕の言葉なんてそいつにすればポンコツだ
多数の人間が認めた本音が
あなたにはあてはまらないなら
僕はなぜここに生きてて
悩んでいるのか
その気持ちすら
闇の中にとけていって
僕は
化け物になりそうです
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落日の羽
雲に触れよう
芋虫の夢
聞こえるなら
あなただけじゃないね
よく眠れるのは
あなたひとりの頑張りじゃなくて
その花は
サナギの家
その手は
花の引っ越し
その羽は
私の心に
よく眠れるのは
あなたひとりの頑張りじゃなくて
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月色の猫のしっぽが
腕にまきついてくるのが
世界の反対側にいるあなたに伝わる時代になりました
足がつかない不安や
目を開けられない恐怖は
マントルを貫いて
地球の最も弱い箇所へ向かいます
そこで優しさやさみしさの意図するところを知り
あなたに伝わるのです!
従順な地球人だから
僕はその事実に向き合う必要があるのです
なのに人々は悪いことばかり囁いて
心にばかり気をとられて!
枯れ葉の跡を追うこともせず
新芽にときめいてばかりいる
もて余した憂鬱が
プレートを震わせているのに
泣いているのに
苦しみや切なさを埋めるくらいなら
あなたになんて伝えない
僕は地球人だから
海に流す悲しみなんてないよ!
あなたのために生まれた世界なら
これ以上とない憎しみを僕は核に埋める
それが愛じゃないというなら
これ以上とない罵倒をあなたは核に埋めなよ
あなたが罵った本質が
これ以上とない親しみを僕に伝え
それが僕だと言ったそばで
あなたはどうするのだろうか
臆することなく間違い
再び考えることを始める
そうして月色の猫が
僕の腕を噛んだとき
世界は孤独であったことを
ふと忘れているだろう
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心のない喜びを?
喜んでいるのはどこ?
希望なんて胸をすり抜けて
風になってしまったよ
その風を背に坂を下る君は
心に何を携えているの?
俺を解放するのは
どんな言葉なの?
くるくる回るしかない
その距離はどんな公式で測れるの?
楽しそうに外円をなぞる君は
言葉に何を閉じ込めたの?
枯れた花を踏みしめて
歩いた道は近道なら
どれだけの勇気を出せば
遠回りできるの?
スキップをしてる君は
どこへ行ったの?
心に喜びがなかったなら
生きていられましたか?
希望が胸に留まっていれば
花が咲いていましたか?
その花を抱いて眠る君は
心に何を携えているの?
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その朝を下る船は
まだ海にはたどり着かない
その昼を遮る音は
街を根城にしている
その夕を補う言葉は
プリズムの中に隠された
その夜を拭う布切れは
傷ついていたから
形あるものが
妬ましくて仕方ない
その日を横切る偶然が
必然だから
と
言わないでほしい
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幸せだという自信がいいね
悲しいと言える心の隙間も
嫌いだと吠える素直さも
やはり人だというのでしょう
いい悪いは誰のために
あなたの心の助けのために
作られたのか生まれたのか
知らなくてもいいでしょうに
他人にはなれないと
あきらめて自分のために
支えられたか支えたか
悩まなくてもいいでしょうに
幸せだという自信がいいよ
いい悪いはどこで選ぶの
知らないうちに?
それもいいね
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ここが宇宙の中心でも
始まりでも端っこでもないのに
(太陽がすべてではないの)
私たちはただ回り続けるだけなのに!
木星もアンドロメダも
あんなに近く手が届きそうなのに
目が回るほどにたくさんあるのに
あのロケットは
雲の中に隠れてそれっきり
どこにでも行けるというのなら
月へ連れていってよ
原子の塊が
重たく地面に寝転んで
それが地球だから
飛び立つ羽はないというのなら
私は卵になるだけ