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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[777] 記憶物質
詩人:さみだれ [投票][編集]

人殺しがいる
窓の外に?
川の向こうに?
人殺しがいる
憎しみの塊
幽閉された四肢の主
それが語る血の色は
赤く濁るものではない
電子の海に溺れた子供が
足を掴まれ引きずり込まれる
命がなくなる
命は単純だ
簡単になくなる
命は明確だ
見えないものではない
それは輪廻の森の草花
木にはなれない
それを摘む人間が
頭の裏で足を揺すり
「人殺し…人殺し…人殺し……」
それが語る人は
とてもニンゲンとはよべないものだった

2014/03/08 (Sat)

[776] 絵本
詩人:さみだれ [投票][編集]

パタンと絵本を閉じるように
私たちの世界が終われば
“見る者“のいなくなった私たちは
どんな風に喜ぶのでしょう?
それとも悲しむのでしょうか
神を失い途方に暮れる熱心な崇拝者は
いかなる理由で暮らすのでしょうね?
神を失い神を信じた怠惰な無神論者は
どんなことをしてゴマをするのでしょうね?
悪者は安堵の息をつき
殺風景な平野に腰を据えました
勇敢な王子さまはお姫様のお尻を追って
霧の森のずうっと奥へ行ってしまいました
私たちの世界の顛末は
喜びとも悲しみともつかない
バラバラの絵本でした
次のページへ向かうためには
ただただあなたが必要なのです

2014/03/03 (Mon)

[775] 夜明けの月
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くすぐる頬の冷たさも今は
遠い地球の上に
雨となって滲みる

ここにはなにもない
豊かな町も
風の香りも
心踊るときも

梳かす髪の柔らかな音が
遠い地球の上に
琴のように響く

絶えずうたい続け
いつか言葉をなくし
後ろにはなにも待たず
寝転がるこの背には

二人は夜明けを待つ
ただ一度の夜明けを
世界の始まりと呼んで
手を繋ぎ続けた

2014/03/01 (Sat)

[774] プラネテス
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手を器に星を掬う
指の間からこぼれ落ちる
これが精一杯であると
世界は教えた
それを覆すための夢を
共感覚の中に見て
星の滴る音を聞いた
それは響きをもって私を魅了し
足のついた地面を知らせた

私はここにいる
ここにいて絶えず生きている

心は夜風にさらされ
震えるばかりではあるが
それこそが唯一絶対の答えだ
この手にほんの1滴の星が
そのための夢があれば
世界の響きを見つめていられる
そして私はここにいて
また空を仰ぎ見る

2014/02/26 (Wed)

[773] すい星の願い
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早く死にたい
私の背に羽がないから
無慈悲なる波の音を
レクイエムに
人間としてせめてもの善行を
この死により達成する
多重螺旋の外側へ
世界が少しでも寄ったなら
このクオリアを誰かが見てくれる
この寂しさを
この冷たさを
霧散させ浸らせる
この海の中に
この人の中に
思いやるために

2014/02/25 (Tue)

[772] カタコンベ
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とっ散らかした部屋で
生者は脆弱に
愛するための言葉を拾い食いする
おかしのパッケージを
眺める死者を
僕は馬鹿にしたくない
理解することをやめたら最後
とっ散らかした部屋は
愛せない食いカスだらけに

2014/02/23 (Sun)

[771] 群青体
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今見ているものが
今まで見てきたものが
すべて偽物でした
この空の青さを
確定する物質
群青体は確かにあった
あったというのに
虚構に生きる私の前には
私のみが持ちうる青しかない
これは偽物だ
私だけが信じる青ではいけない
それは粒子のスピンと同じで
絶対にはならない
私たちが共有するものは
偽物であり
群青とは呼べない

2014/02/18 (Tue)

[770] 魔女
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猫が死んだ
魔方陣の上で
無理やり夢を持たされて
希望を思うその双眸
どこを見ているのか
どこも見えてはいないのか
猫が死んだ
今ここに魔法がかかった
猫が死んだ
ただ恍惚と輝くばかりの双眸
鼓動などない

2014/02/12 (Wed)

[769] イデア
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イデアの手を引いて
言の葉の空を自由に飛ぶ
神話の中でしか生きられない
天使や悪魔に会えるだろう
世界を写す鏡
鏡を写すのは何
イデアの声を信じて
世界を写す目を

涙も凍り
言の葉は塞き止められて
沈んでいく体を受け止める手は
ここでは生きられない
あなたのものだった
今日を写す僕と
僕を写すあなたと
あなたを写す今日があれば
どこでだって生きていける

2014/02/07 (Fri)

[768] 不機嫌な天使
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羽根が一枚抜け落ちただけで
一日が台無しになってしまう天使
そんな日に私が死んだら
ふて腐れたように
でも出迎えてくれるのだろう
作り笑顔よりはずっといい
死んだばかりの私にはそのくらいがいいよ

2014/02/03 (Mon)
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