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さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[343] 銀河鉄道
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彼女はひとりきりで
銀河鉄道を待っていた
星が流れる度に
線路が現れるような気がした
ホームの屋根は雪に覆われ
民家の明かりはぽつりぽつりと消えていく
それに気付かないほどの長い時間を
彼女はひとりきりで過ごした

2011/11/23 (Wed)

[342] 世界の終わり
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世界の終わりはきっと黄昏で
夜明けにも似た目眩を覚えることだろう
傍に咲く草花や
それを動かす風
見落としてしまいそうな星に既視感
ああ知っている
何もかもくたびれて
それで目を閉ざしたこと
月がはっきりとしないこともまた
俺は知っている

始まりなんてなかったよ
これからもないんだよ
曖昧なままにして受け入れていくの
過去も未来も
現在すらも超越して
あらゆるものが終わりへと向かってる
素晴らしい夜明けへと

世界の終わり
冷たい風が頬を撫でる
行き場をなくした雲が散り散りに
途方のない旅に出る
あなたは瞳を輝かせ
うれしそうに見守っている
ああそうだった
何もかもそこに繋がっていたんだ
時間をも内包するそれが
すべてだったんだ
あなたは知っていた
世界の終わり
その先を

2011/11/21 (Mon)

[341] 無題
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彼の頭の中には神様がいる

それは不快な感情の一部か

もしくは愚かな願望か

なりきれない神様

模倣者は羽すら持たない

天使すら傍にいない

彼はなぜ神様

神様を思っているのか

死に至るやもしれない鈍痛

それは悪魔の仕業

神様は言う

振り向いてはならない

うつむいてはならない

苦しがってはならない

驕ってはならない

騙されてはならない

羨んではならない

絶望に身を預けてはならない



彼の頭の中には神様がいて

2011/11/20 (Sun)

[340] 軌跡の果てに
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星の海を漂う
鉄屑のロケット
誰にも会えないし
誰とも話せない
最後の力
無線は死んだ
見知らぬ最果て
今すぐ行き着いたなら

知らせてほしい
星と星の間に
僕が見えたなら

知っていてほしい
星と星の間に
僕が生きていたんだ、と




2011/11/20 (Sun)

[339] 胎動
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21年前の今日を
母はどんな気持ちで過ごしたのだろう
どれだけの痛みや
勇気で過ごしたのだろう
父はどんな気持ちで仕事をしていたのだろう
どれだけの期待や
希望を夢見ていたのだろう
名前は決まってたのかな
誰に似ていたのかな

生まれたことを後悔したって
生きてるんだから仕方ない
生まれてよかったと
たまに思うくらいがちょうどいいのかもしれない
そのための記念日なら
ちゃんと祝おう
寂しくてもちゃんと祝おう

俺は生きてるよ
あなたがいたからこそ

2011/11/15 (Tue)

[338] 断片
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すべて嘘だと君は言ったね
それはすべて真実だと言っているようなものだ
もし君が本当に嘘を吐いて
真実すら懐に隠してしまったとしたら
君は誰にも知られないし
君は螺旋の奥で永遠に鎖に繋がれたようなものだ

2011/11/14 (Mon)

[337] クォーター
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降りられなくなるなら
最初から昇るなよ
いつまでもそのままってわけにはいかないから
ロケットを打ち上げるよ
そしたら手を伸ばすから
怖がらないで飛び込みなよ
ほんの少しの勇気でいい
僕の分を足すから

2011/11/13 (Sun)

[336] そんなバナナ
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俺は人間だ
皮が四つに剥けたとき
いつも思う

俺は猿か
皮が三つに剥けたとき
いつも思う

ゴリラ…
皮が五つに剥けたとき
いつも思う

そうしているうちに
誰かが皮で滑って
転んで泣いているかもしれない

バナナを食べるとき
黒くなった部分は避ける

そんな俺が嫌いだ

2011/11/13 (Sun)

[335] 睡眠
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優しい声
窓辺の花瓶
"最後の時間より
最初の時間が好き"
見えない星の
知らない引力
髪がふわり
ひとりきりの喜び
優しい声
聞かせてよ
ひとりきりの喜び
何より好きにならなくてはいけないもの
あるはずだろう
波のような像
泣いているの?
"最後の時間が始まるね"
枕元の時計が
電池を切らしたように
あなたはふざけて疲れた
ピエロのように
眠ったあとに始まるよ

2011/11/12 (Sat)

[334] 小さな銀河の腕で
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夕暮れの角砂糖は
コーヒーに溶けていく
夜明けは夕暮れに似て
苦くて飲み干せない味だけど
きっとミルクを足せば
受け入れられるだろう

なのに昼と夜は似ても似つかない
出会うことすら禁じられた
悲しい生き物だね
それはだって僕らが悲しいから
諦めちゃってるから

羽をひろげても
飛ぶことはない空の下
羽を欲しがっても
得られない雲の下
ああ、こんなにも足は泥んこになって
今すぐにでも太陽や月に逃げ込みたいのに

海の音が聞こえる
誰も帰らない夕暮れに
居場所があれば
遠い国に行けたら
好きな人がそばにいたら
もうすぐ夜になる
いつのまにか月が出ている
真っ白なグラニュー糖に
安いダイヤを散りばめて
いつの日か君にあげよう

2011/11/07 (Mon)
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