ホーム > 詩人の部屋 > さみだれの部屋 > 新着順表示

さみだれの部屋  〜 新着順表示 〜


[196] 白いワンピース
詩人:さみだれ [投票][編集]

青空に乗って
飛んでく帽子を
追いかける君は楽しそうに
砂に足をとられても
波がかかっても走ってる
つかまえたときに
僕に向かって胸を張る
いつまでも変わらないで

ときどき意地悪に
君を困らせるだろう
そのときはちゃんと叱ってほしい
ときどき下手っぴに
僕を困らせるだろう
そのときはちゃんと言うから
いつまでもそばにいて

青空に乗って
飛んでく心を
追いかける君は楽しそうに
つかまえたときに
僕にくれた心を
大事にしまっておくよ
いつまでも笑っててほしい

2011/07/30 (Sat)

[195] さかなの絵
詩人:さみだれ [投票][編集]

海の中で泳いでる
水面を凍らされて
息継ぎができないまま
とうとう魚になってしまった

さかなの絵を
書いてる少年の顔
曇ってる目の奥に
ひとが歩いてる

空の上で泳いでる
雲が汚れきって
同じ景色に飽きた頃に
当然鳥になっていた

土の中で泳いでる
アスファルトで真っ暗になって
目が慣れないまま
ついにもぐらになっていた

2011/07/28 (Thu)

[194] 絵のない詩
詩人:さみだれ [投票][編集]

悲しみを奪ってまでも
守りたいものってなんだろう
言葉を潰し歩いてまでも
得たかった幸せってなんだろう
古いものが偉いと思ってても
新しいものが輝いて見えて
いつのまにか真っ黒の瞳の中に
星がちらちら散っていた

間違いだなんて決めつけても
正しいことは怖くて言えない
言えないなら表しようがないよ
そんなことなら黙ってていいだろう
ただそこに立ってるだけで
生きてることになるのなら
誰だって死ぬことはしないだろう

さみしさを紛らせてまでも
守りたいものってなんだろう
嘘をついた口を洗ってまでも
気にしていたものってなんだろう
大切にしてないものほど
助けてもらってるものだろう
大切にしたいものほど
目に見える場所にあってほしいだろう

2011/07/28 (Thu)

[193] わからずやのダダ
詩人:さみだれ [投票][編集]

わからずやのダダは
眠れる場所がほしいと
森の中へ足を踏み入れた
町の人たちは
すぐに帰ってくるだろうと
眠らず宴を続けた

月が照らす切り株に
ダダは体を預けた
こっそり後をついてきた君は
彼を見つけられず
それはそう
ダダはもういなかった
誰の目にも触れられなかった

機械的な涙を流す
町の人たちの夜明け
そこに月はなく
夕べの跡が目立つばかり
森の中は静かに
君はひとり眠らずにいる

2011/07/28 (Thu)

[192] 月の子に
詩人:さみだれ [投票][編集]

あなたが幸福だと私は不愉快な気分になります

同じ空の下がどうとか綺麗ごとに他なりません

かといってあなたが不幸だと私が幸福になることはないのです

自分のことを蔑む者など見ていて気持ちのいいはずありません

あなたへの関心はないのです

だから一切を語らないでください

割り切れない子供の話など聞きたくはないのです

それがあなたへのすべてです

2011/07/28 (Thu)

[190] 夜の端くれ
詩人:さみだれ [投票][編集]

あなたがいる
だからもう静かじゃない
心が鳴る
今すぐにでも聞いてほしそうに
もうしばらくしたら眠るのだろう
あなたが眠るそばで

つれないやつだな
笑ってくれよ
いつまでも眠ってないで

あなたがいる
だからもうひとりじゃない
心が増える
一個がこんなに重いなんて
離れないためなんだろう
あなたにも渡ったんだろう

2011/07/28 (Thu)

[189] くだらない
詩人:さみだれ [投票][編集]

つん、と尖った口先で
どれだけの笑顔を壊しただろう
意味のない言葉の数
数えきれないのは無意味な人生だったから
また僕を笑いに来た
白い目で僕を笑いに来た

くだらないと吐き捨てて
どれだけの思いをはたいただろう
なんとなくの一言で
片付けた悪事がこめかみに響く
まだ生きていたんだ
もう死んでいたと思ってたのに

どこへでも行けばいい
すれ違う人を気にしないで
ほんのひとりの戯言
聞けないふりしても応えてしまう
うまく笑えない顔が
風化していくのがさみしいの?
うまく笑えた顔が
誰かの笑顔を壊してしまう
まだ僕を笑っていた
口を裂いてまで笑っていた

2011/07/27 (Wed)

[188] 世界が変わっていく
詩人:さみだれ [投票][編集]

世界が変わっていく
しがない老婦人の行く末も
迎えの来ない恋人のカクテルも
愛せないのは不確かだからでしょ
狼は何者も食らわない
ダンスの誘いはいつだって勇気がいるものさ
我慢ならないのは怖いからでしょ
さぁハットを被りなさい!
化けの皮を剥ぐときが来た!
テレビから流れるニュースに
その音楽は似合わないでしょ

世界が変わっていく
何もかも"ない"ふりをして
息をしてることも忘れたなら
世界が変わっていく
少女の祈りはあの針の向こう側
見つからないのは一瞬だから
さぁあの子をウサギ小屋から出しなさい!
誰も何も変わらないなら
みんなで一緒に踊りましょうよ
それからまた始めましょう
楽しい、楽しい世界をね

2011/07/27 (Wed)

[187] 本音
詩人:さみだれ [投票][編集]

本当のこと言うとね
たださみしいだけなんだ
どれだけ美しい夕日も
ひとりで見てるのは
こんなこと言葉にするとね
誰かに甘えたくなるんだ
強がってひとりで生きてるけど
弱くてひとりで死にそうなんだ
月も太陽もひとりきり
星は数えきれないほどあって
人は増えてばかりいるのにね
僕もひとりじゃないはずなのにね

本当のことはね
あまりにみっともなくて泣けてくるんだ
青い光の部屋の中でも
いるのはたったひとりなんだ
言葉ってのはね
どうしようもなく伝えたいものなんだ
行き場がなくたって
生きてるようなものなんだ
本当のことは
言葉にできないようなこと
たださみしいだけってのも
嘘なのかもしれない
その中の本当なのかもしれない

2011/07/26 (Tue)

[186] テスト
詩人:さみだれ [投票][編集]

落書きだらけのノートの隅っこに
息を殺して隠れてる答え
ベストな生き方笑ってるのは
いつだって問題だろう
頭に響くよ
もう嫌ってほどわかってる
今だけは
耳にタコができるよ
聞きたくない冗談も
君のため

隣同士だから教え合える
二人で解けるから楽しいんだよ
背中合わせだから頑張れる
振り向かないそいつが好きなんだ

最後の問題
一番難しいけど
どこかに隠れてるんだろ
ノートから飛び出した
無口なお前を待ってたんだ
僕の手で書いてあげる
君の名前を最後に

2011/07/25 (Mon)
944件中 (751-760) [ << 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 >> ... 95
- 詩人の部屋 -