詩人:さみだれ | [投票][編集] |
いつまでこんなさみしい思いをしていればいい
ただ君の言葉が聞きたいだけなんだ
君と話がしたいだけなんだ
君の存在を抱き締めたいだけなんだ
君のそばにいたいだけなんだ
神様に言われたからじゃない
誰に言われたとかじゃない
約束したからじゃない
あの約束をする前から
君のことが好きだった
忘れるなんてできやしない
ただ永遠に会えないのだけは嫌だ
あと何年
何十年待てばいいんだ
くらくらするような朝日も
眠れない夜も
あの時間も
ずっと一緒にいた
本当はいないのに
いつだって頭の中に君はいて
目は君を探している
本当はここにいたんだよって
出てきてくれよ
今までの寂しさを忘れるくらい
安心させてくれよ
ずっと一緒にいようって
言わせてくれよ
六年目の春に
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愛することは
海の魚が跳ねること
空にキスしようとして
届かなくて深海へ
そんな君たちを
アンドロメダまで放りあげよう
呼吸の仕方が変わってくるけど
君たちなら心配ないだろう
愛してる
ああ、そんな言葉
易々と使わないでくれ
腐ってみっともない姿になるぞ
愛するということは
特別だということ
とっておきの切り札は
いつだって隠し持ってるもの
大事な言葉は
たった一度きりのもの
それが魔法でも約束でも
君たちが愛した空は
君たちを受け入れるだろう
じゃなきゃこの詩は
何の意味ももたなくなるよ
君たちのキスも
無意味なものになってしまうよ
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このくらいの望遠鏡で
どれだけ多くの優しさが見える?
ちっぽけなものだって
笑ってるのは愚かな人なの?
ほんの一ミリずらしただけで
見る世界は大きく変わる
目新しいものがないんだって
飽きてしまうのは自殺志願なの?
あの輝きの表面を
撫でられる人でありたい
どれだけ冷たくされたとしても
触れ続けていたい
(アルファもベータも宇宙人も
元素、分子、超新星も
白色わい星も超巨星も
黄道もハップルもバルジも)
このくらいの望遠鏡で
優しさすべてが見られたら
あの輝きの表面を
撫でられる人になりたい
どれだけ熱くぶつかろうとも
触れ続ける
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空も歩けるような
浮いた気持ちで
君に会えたなら
雲も摘まめるような
勇気が残ってて
僕は言うだろう
あと半分もしないうちに
一日が終わるから
あと半分はふざけて
はしゃぎまくろう
どんよりした部屋で
愛を語り合うより
真っ青な空を
君と歩きたいな
黄昏に背を向けて
愛を確かめあうより
真っ白な月と
君を考えたいな
あと半分もしないうちに
一日が終わるから
あと半分は手を繋いで
素直になろう
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ここは詩人の部屋?
行き場のない憂鬱の捌け口?
ラブレターを入れた下駄箱?
哲学書?
枕元の日記?
森からの帰り道?
ライブコンサート?
宇宙人の筆跡?
人工知能の暴走?
校長先生のお話?
もしかして全部、詩?
詩でない詩なんてない?
何を書いても詩と読んでいい?
パクんなきゃ大丈夫?
ここは詩人の部屋?
部屋、間違えてないよね?
じゃなきゃ書いてていいよね?
真面目に書いてていいよね?
もしかして詩嫌いなの?
ヤンキーなの?
コンビニの前にたまらないで?
とにかく詩人の部屋に違いないよね?
詩人:さみだれ | [投票][編集] |
太陽が出ないようなら
花はなんと言って泣くでしょう
鳥は木から飛び立てず
うつむくようになるでしょう
大人たちは酒を食らって
子供たちは眠り続け
やがてすべての生命が
目覚めることなく夢を見るでしょう
月がどれだけ太陽を真似ても
星がどれだけ青空を真似ても
それは夜に違いないのです
そのうちひっそりと
誰かが目を覚まし
静謐なことを嘆くあまり
歌を歌うのでしょう
そのうちひっそりと
誰かが目を覚まし
聞こえてくる歌声に
涙を流すのでしょう
これは長い長い夜の話
空が白む頃には忘れ去られる話なのです
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海の上を歩きながら
風は僕の背に吹きつけた
Yシャツが帆を張って
僕の歩みを急かした
この温もりが陽でないなら
人なのだろうか
この温もりが桜であるなら
優しい匂いだ
今ならなんとなく
泳げる気がする
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夜がない幸せを
彼女はさみしいと言う
変わらない日々なんて
楽しくないと
いつだってそう
魔法にかかったような
そんな世界が好きだった
(あなたの見ている世界をあなたは飽きているだけ)
なぁ、君は好きなのかな
羽のない僕のこと
魔法にかかってない世界を
君は愛しているのかな
"あなたは何も知らないだけよ
こんなに広いんだから
魔法にかかってしまったら
魔法のような景色も現象も
あなたは知らないままよ"
この夜も魔法のようなら
君の声は変わらないでいてほしい
そして世界が魔法にかかったなら
また同じ言葉を聞かせてほしい
魔法がとける前に
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ただ一人のために
私は生きていた
夢を見たいがために
眠れなくなった
ただひとつの詩のために
私は多くを捨てた
さみしい月に同情し
太陽を愛した
いずれ私は忘れる
幻を見たことを
目を覚ましたときも
記憶から抜けていく
ただひとつの答えがほしい
それが私を殺そうとも
夢を見ていない今
死んでしまいたくはない
ただ一人のために
私は生きているのだと
教えてくれていたならば
強く信じられただろう
そして私は忘れる
影を見たことを
夜に溶けたあとも
涙が止まらなかったことも
ただひとつの詩のために
私は多くを嫌った
世界を見る目も光を失い
人は誰もその目を知らず
ただ一人のために
私は生きていた
夢を忘れたばかりに
起きられなくなった