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さみだれの部屋


[215] ありがとう
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

誰もいない夕暮れの廊下
友達はみんな離れて遊んでる
名札を握って泣いてた
体育座りで泣いてた

迎えに来たお父さんは
仕事着のままで
泣いてたら怒られるから
涙を拭いて駆け寄った

手を繋いで帰るときに
隣から香る匂いが
いつまでも忘れられない
いつまでも大きいその手も

今は泣くこともなくなって
ひとりでいることも怖くない
名札の名前は漢字になって
その意味を背負う勇気もある

今は仕事をして汗をかいて
今になってその苦労がわかったよ
いつまでも忘れはしないだろう
あなたの隣で香る匂い
いつまでも敵いはしないだろう
あなたのその手の大きさには



「POET10YEARS」

2011/08/08 (Mon)

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