曇りガラスを見ている
その向こうにある庭の花を
かまいたちが荒らしてしまわないように
彼女は祈りを呟いた
たったひとつの友達が
翌朝には散り散りになって
彼女はひとり窓辺のテーブル
紅茶の香りを楽しむ
気まぐれな心の中では
コーヒーが香る
苦いのは嫌いだというのに
眠れなくなってしまうのに
ため息をふたつ、みっつ
曇りガラスを真っ白にして
人差し指で書いた
自分の名前も歪になって
手のひらで拭った
窓の外に広がる世界を
つまらなさそうに眺めている
彼女はずっとつまらなさそうに眺めている
2011/09/08 (Thu)