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さみだれの部屋


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詩人:さみだれ [投票][編集]

よくない天気
グラスに半分
ため息注いで
ソーダで割るの
泡の出口を封鎖
部屋の空気も閉鎖
一人が好きよ、と
鎖国してみるの
けれどノックの音が
雰囲気を駄目にして
曲はまだイントロ
帰ってほしいのに
重たい腰あげて
鍵を回すその手が
綺麗に見えて
見とれてしまうの

よくない気持ち
お風呂に半分
ほぐれた腰に
泡の愛撫
逃がさないように
溺れないように
飽きないように
泣き出さないように
静かな世界
小さな街
一人は嫌よ、と
声を出したの
聞こえないふりばかり
気づかないふりばかり
本当は気にして
そこにいてほしいのに
けれど嘘が得意で
雰囲気を駄目にして
100数えないうちに
出ていってしまう
一人になること
知っているから

一人になること
知っているのに


2011/09/18 (Sun)

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