浮き輪のない夜
海には行けないよ
潮の香りだけ
楽しんだりして
お城が崩れないように
見守ったりして
長い時間がたって
誰もいなくなって
それからはただ
ぽつりぽつりと魚が飛ぶ音
見違えるほどに
変わったよ
生まれたばかりなのか
おぼつかない思いやりが
たくさんの人を困らせたよ
たくさんの人が喜んだよ
最後の希望
サンダルが示す
あの軌跡をたどり
今はもう銀河の外
見えなくても手を握って
ゆっくり力を弱くして
ひとりでも平気だって思えたら
軌道は大きく変わる
新しい星の引力
光
匂い
音
それはいつかの海にも似ている
気がする
2011/09/19 (Mon)