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さみだれの部屋


[355] 銀河鉄道
詩人:さみだれ [投票][編集]

彼はひとりきり
凍りついた涙を温める術を知らず
彼女を待っていた
空き缶の溢れたゴミ箱
穴の空いたベンチ
外灯に集る虫が夜をさらに暗くする
星のない空を銀河鉄道は走れない
それでも彼は信じた
ただひとりきり
暗がりの向こうに広がる星の光は
彼にだけ見えていた

2011/12/09 (Fri)

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