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さみだれの部屋


[395] 無題
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

死を受け入れられるとき
影を潜めるのです
その幾つかの高らかな塔は
天国に届くことなく
影を潜めるのです

終わったことを喜ぶとき
影を潜めるのです
久遠の楽園の下に広がるは
与えられた概念に苦しむもの
それらは息を潜めるのです

暗くなりはじめました
迷子の案内は10分おきに聞こえます
照明がひとつ
店がひとつ
影を潜めるのです
それでもなお続くアナウンスに
誰が気づいたでしょう
みな影を潜めるのです


2012/02/15 (Wed)

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