辺りは静けさを取り戻し光だけがこの目に映る遠い日の軽やかな体を忘れ沈んでいく空の中人はどれほど嘆き、叫び、歌おうとも連続する気持ちの裏返しに何をすべきかを見失うそのたびによくあろうと色を変えて魅せるのである己自身に宙を舞う蝶は鳥の高さを知らず空駆ける鳥は星の高さを知らず沈んでいく空の中ようやくひとつの気持ちに落ち着いた頃白く白く弾けていくのであった
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