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さみだれの部屋


[457] God out of the machine
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

時計仕掛けの男の子は
朝焼けの頃眠りについて

ぜんまい仕掛けの女の子は
伝う涙に錆び付いて

動かなくなりました

天よりのびる光の手が
大地に根を張る季節にも
電池の切れた男の子は
目を覚ますことはありません

海より流れる白い風が
居場所を作れと言うものの
歯車の止まった女の子が
家に帰ることはありません

人が三回生まれ変わろうと
魂はないと決められた彼らが
死ぬことはありません

人がひとりもいなくなっても
魂はないと知らされた彼らが
生きることはありません

時計仕掛けの男の子は
朝焼けを知らず

ぜんまい仕掛けの女の子の
涙は乾かぬままに

宇宙が果てまで膨らみきっても
魂はないと信じ込んだ彼らが
目を覚ますことはありません


2012/04/16 (Mon)

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