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さみだれの部屋


[492] まほろばの夜
詩人:さみだれ [投票][編集]

まほろばの夜にて
月は映えるがヴェールの奥に
うす濁る光を携え
そは野犬となりて街にのさばる

まほろばの夜とて
風は四肢を切りつけ去り行く
ガラス越しに手を伸ばせど
そは醜いパペット
そは戯謔の極み!

──


寝台に横たわり
夜想にふけるか
色青く
声さざめく
星に願うか
うちゆする
窓辺の花を
口にするのを
恐れた花を
仄かに香る
甘く淑やかに
けれど強やかに
夜想にふけるも
寝るには足りない
声さざめく
星に願うか
うちゆする
窓辺の花よ
清くあれ!


──

まほろばの夜にて
人は陰るが月光のごとし
違う御身の胸のうち
そは光を隠し夜にたゆたう


2012/05/28 (Mon)

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