詩人:さみだれ | [投票][得票][編集] |
さて
共感したがりのあなた
あなたの心に形があるとすれば
それは他人とはまた違っている
ほんの少しの違いでも同じだとするあなた
あなたの器は大きいのでしょうか
それとも個性を欠いただけでしょうか
あなたは流行り廃りにひどく敏感になりすぎて
ついに個性を失ってしまう
あなたは万人の群れの
同じ色の
たくさんの米粒の
それはもう目立たない
いてもいなくても気にならないもの
そんなあなたに共感しようものなら
私はこれから先あなたと同じ色になってしまう
それだけは死んでもイヤだ!
/境界をなくした
誰かが線を踏んで
かき消したんだ
無理やりひとつになろうと
それはレイプのようなもの
殺人より忌み嫌う
誰かが入り込むんだ
共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感共感…
ある朝目を覚ますと
隣に猫がいた
黒くて爪の長いやつ
そいつは目を覚まして
"にゃ〜"って鳴く
私はゴロンと背を向ける
背を向けた私の背中に爪を立てる
これは何だろうか
"共感して"と
私に言うように
猫のほうに向く
そして一言「おはよう」とだけ返した