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さみだれの部屋


[548] 優しいもの
詩人:さみだれ [投票][得票][編集]

俺は溜め息をひとつ
お前は欠伸を
会話なんてない
必要ないさ
雲がちぎれる
片方に嫌気がさしたのだろう
きっとそんなところだろう

隣のベンチでは
同僚を殺している男
滑り台の上では
同級生をレイプした小学生
向こうに見えるビルには
部長との不倫に溺れる女
バス停に佇むのは
今から死にに行く奴

はたして俺は何者だろうか
血塗られたカミソリをもって
同じく血塗られた性器をもって
狂ったような目をしている
愛憎に狂ったような目をしている

お前は何も言わず
俺もまた何も言わず
周りの目はこんなに冷ややかに
俺たちの虜に


2012/07/27 (Fri)

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