幽霊は部屋のなかに手を組み願ってばかり君の向こう側に窓があって夕暮れがある幽霊は言葉を持たない手を組み願ってばかり君のとなり溶け合い涙をもらって笑ってやる幽霊は誰も愛さない手を組み願ってばかり君の手を包み込み僕も同じこと願ってみるけれど幽霊は教えてくれないその向こう側に夜が落っこちるだけ窓があって夜が落っこちるだけ
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