スペースノイドは詩を書いた木星圏を航行中の恋人に向けて一枚の電子信号が船から飛び立っていく様を我々は見送ることはおろか気付くことすらできないルナリアンは詩を書いた地球に住む家族に向けて一枚の石ころが燃え尽きていく運命に我々は介入することはおろか気付くことすらできない地球人は詩を書いた自分自身の心に向けて一枚の紙切れが皺だらけになり捨てられる日を我々は平凡に生きることや忙しく生きることで気づかないようにした
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