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さみだれの部屋


[614] spec-3.
詩人:さみだれ [投票][編集]

人生をやめた
明日なんて言葉や
あなたなんて他人も
深い深い穴に放って
土をかけた
そうすると
今まで耳を突き刺していた木の葉の囁きも
目に痛かった空の青さも
肌を切り裂いた風の冷たさも
みんな失くなった
そして
時間が過ぎることもなく
ただ息をして
そこにいたり
あっちに行ったり
そうやって
死ぬまでの長い長い時間を
感じられずに
僕は
息を終えた

2012/12/03 (Mon)

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