あなたは今夜世界に一人きり友達も恋人も家族もいなくなったあなたはさみしさのあまり大声で叫ぶけれどあなたのまわりには光すら来てはくれないあなたは唄を歌ったり懐かしい記憶を辿ったりするそしてそれも空しいだけだと知りついに静かになったすべての音が止み視界も塞ぎ動くこともやめたそして最後の一粒が空を濡らしたときあなたはどこか遠いところへ歩いていくのだった
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