詩人:さみだれ | [投票][得票][編集] |
ほんとうはね 君は火星からきた未来人なんだよ
「あの星がもうじき死ぬんだ」とか「あっちにブラックホールができてさ」とか
君は地球が水飴に包まれる未来から来たらしいね
木星ほどある巨大な箸で絡みとるんだ!
なんて言っても所詮無理な話だよ
地球の人ってさ
みーんな忙しいんだって
恋だのなんだのに人生の半分使ってさ
夢を見ることに残りの半分を使うの
残らない人生を後悔しても
その頃にはろくに体も動かせないし
ひとりでは何にもできなくなるんだ
地球が水飴に包まれたって
彼らには甘くもないし ベタベタでもない
水飴をどうすれば化粧や衣服にできるか
そんな会議で半世紀を費やすんだよ
ねぇ、火星からきた未来人ならさ
地球を爆発させられないの?
こんなくだらない星 壊さないと
バラバラにしてさ
よその星に分けてあげようよ
この木も この石も この海も この町も
地球にはもったいないからさ
お祭り騒ぎだね
あと何センチ 太陽に近づいたら
明るく輝いて、燃え尽きるんだろう?
あと何センチ 月に近づいたら
仲良く寄り添って、砕けるんだろう?
僕たちはあと何万年
こんな日々を続けるんだろう?
君たちはあと何万年
こんな日々に付き合うのだろう?
ねぇ、火星からきた未来人さん
いつ水飴に包まれるのかな?