病室の窓から入り込む風が
カーテンを揺らす
彼の手には詩集があり
次のページはなかった
彼はそのことに気付かないふりをし
同じ詩の同じ終わりを読み続けた
裁判長は決めなければならない
彼の者の罪の重さを
自分を正当化するための算段を何度もした
間違った決断をしたときのために
誰もが納得するだろうか
正当化が下手な言い訳にならぬように
裁判長は何度も繰り返し考えた
それでも人は変わらない
絶対的な流れの中にあって
変えられずに溺れている
それは自己陶酔の意でもあり
現実的な意でもある
2013/11/29 (Fri)