くすぐる頬の冷たさも今は遠い地球の上に雨となって滲みるここにはなにもない豊かな町も風の香りも心踊るときも梳かす髪の柔らかな音が遠い地球の上に琴のように響く絶えずうたい続けいつか言葉をなくし後ろにはなにも待たず寝転がるこの背には二人は夜明けを待つただ一度の夜明けを世界の始まりと呼んで手を繋ぎ続けた
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