手を器に星を掬う指の間からこぼれ落ちるこれが精一杯であると世界は教えたそれを覆すための夢を共感覚の中に見て星の滴る音を聞いたそれは響きをもって私を魅了し足のついた地面を知らせた私はここにいるここにいて絶えず生きている心は夜風にさらされ震えるばかりではあるがそれこそが唯一絶対の答えだこの手にほんの1滴の星がそのための夢があれば世界の響きを見つめていられるそして私はここにいてまた空を仰ぎ見る
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