私の飼っていた雀が朝焼けに恋焦がれて小さな羽がひとつひとつ煤になって町に降る混雑した回線の外で私は頼れる人を探すこの魂がこの魂だけが救われるように願う一次元の上を歩く人生だから私は他人ぶって「私」を指せないああそうだ私は罪悪のもとで鳥を殺したこんな魂のためだけに今朝灰色の鳥が空を落ち始めた
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