低温の海を駆ける
魚雷たちの戯れのなかに
陸の少女は花を手向け
必要以上の涙を流した
死を見つめることでしか
己を人間と認められないなら
「それは悲しい」
そう思うことがまるで定められているような気がして
ふと嫌な気持ちになる
命のこたえを順繰りに追っても
あの少女の涙も
魚雷たちの終着点も変わらない
青いスペクトルにもならないこの命が
どこへ行こうとも
彼らの顔色が窺えないから
どこへでも行こうと
地球に縛られた私の相対に
彼らはずっと遠くへ歩いているのだろうか
2014/07/16 (Wed)