詩人:さみだれ | [投票][編集] |
ただ笑いたかった
何も持たなくても
空っぽの心に
触れてくる手が心地よかった
あなたの手にした剣は
誰かの心に刺さったまま
「そんなこと」と忘れて
あなたはまた新しい剣を買う
“ここにいたい“
と願う
あなたはそんなこと知らないでしょう
ただ笑いたいだけ
薄汚いなりでも
空っぽの心に
手が生まれてくる
あなたが誇った強さは
誰かの背中に乗って詠ったもの
鼻を折ってみれば
あなただって私と変わらないでしょう
ここにいたい
ただのわがままを
あなたは願いもしないでしょう
昼の喧騒を
頬杖ついて眺めて
「つまらない」と呟く
君だって同じ
心がどこへでも行けたら
翼をもてたなら
私はようやく
あなたと笑いあえる?
心がいつでも変わらず
色を持たないなら
私はついに
ひとりぼっちになるね
存在の定義すら
怪しくなってくるね
ただ笑いたいだけ
そのためのクオリアを
空っぽの心に
染み渡らせて
触れてくる手が心地よかったんだ