詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
君がいきなり僕を抱きしめた
僕はそのままふわりと
羽のように君を抱き上げた
重いよ?
って君は少し照れて
でもしっかりと抱きついた
このまま海に投げ込もうか?
って意地悪したくなる
そのときは離さないから
海水浴には早かったけどタオルを持っててよかったね
君は本当に離さなかったね
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君の着てる洗い立てのシャツの色は今日も 白
君からのメールの1通目はいつも慌てて無言のまま返すから 白
あの家が可愛いと言って指差す家は 白
小さな式場のウィンドウに目を奪われているドレスは 白
夜に輝く白い月が好きだから
白いシャツに
白い車で
白い砂浜に向かった
白は何色にも変われるから好き
だからそんな私になりたい
君が話した白が好きな理由
それはプロポーズにも似ていて
僕は忘れることが出来なかった
僕の頭も真っ白だ
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僕はただカタログを用意しただけだった
それを君に見せて選んでもらってその通りに振舞うだけ
傷つけない様に壊さないように扱って
それを優しさとしていただけだったんだ
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何万回重ねた唇が一つ一つ鮮明に僕に近づいてくる
もう一度そんな日々を送ること
君を想って溺れていることがきっと僕の幸せ
実現させることが僕の幸せ
君を想って君を想うこと
詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
学校の課題で作ったこの木箱が生まれたのが12年前
その木箱にはノートを千切った手紙が入ってた
そこだけ時は止まってた
開けて見返せば懐かしさの塊が顔を覗かせていた
まだ学生服を着ていた頃は妙に純粋な感性と
青臭い恋愛がとめどなく溢れていた
「好き」を「好き」と言える気持ちは何時頃どこかへ行ってしまったのだろう
あの頃の僕は今の僕を想像出来なかったに違いない
それほどまでに僕らは大人への道を歩いていたんだ
あの時愛した人達とは今会うことは無いだろうけれど
あの頃愛した人達も今の僕を想像出来ないだろう
僕は今幸せです って
胸を張って言えないから逢えない事が幸せだ
でもあの時愛した人達に会ったら
遠く離れた所に愛する人がいる とは言える
あの時見出せなかった答えはその人が持ってると
胸を張って言えるだろう
この木箱はまた眠らせておこう
次に開ける日が何時になるかは分からないけれども