詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
最後に君がくれたキスは
今まで一度もしてくれなかった
とても優しいものでした
最後だからそう感じたのか
それとも今まで気付かなかったかの
どちらかで
涙が出るくらい優しいものでした
冷たく斬って棄ててくれた方が
何も感じなくて済むのに
最後にかけた言葉は君に届いたんだろうけれど
君は振り返らず
消えていきました
さよなら 愛した人
さよなら 愛された僕
ありがとう
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恋する気持ちも 愛する気持ちも
誰かを好きになる気持ちも
駄目になる要因なのかな
この人生の台本を書いた人は
とても意地悪だと
想ってしまう
叶わない夢を見させて
叶わない恋をさせて
敵わない壁を用意して
僕は僕に対してとても意地悪な僕
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朱いビルの谷間に二人
影は伸びて重なったまま
二人はずっと見詰め合っていて
散歩を楽しむ犬に影を踏まれた
あなたはそれを嫌って
私の腕を強引に引いた
キスしよう
って誘いかけて
街中をエキストラに
夕陽をスポットに
二人 舞うようにキスをした
犬が羨ましそうに私たちを見てた
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あなたに会いたいと願えば
夢に出てきてくれた
夢の中では意外に泣き虫だ
やさしく抱きしめようにも
すり抜けるのは
現実と同じ
涙を止められないのも現実と同じ
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君を嫌ってしまうには
あまりに理由がなさ過ぎて
君を好きだと想うにも
あまりに理由がなさ過ぎる
君が離れていくのを
このまま黙って見過ごす
それを許せるほど僕はまだ達観してない
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涙に濡れて眠れない
一つ目の夜を越えられたら
寂しさに負けそうな
二つ目の夜を越えてみよう
微熱混じりの孤独が続きそうでも
また繰り返しそうになっても
三つ目の夜を越えたらきっと大丈夫だから
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『愛してる』なんて言葉は
誰もが一度は使ってて
安売りされてるのに
あなたから言われると
胸が締め付けられる想い
私が口にしたら
あなたは耳まで真っ赤
一日一度は聞きたいな
あなたが真顔で
耳まで真っ赤にして
言ってくれる
愛してる
を
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解けた長い髪
振り乱し
はだけたブラウスで
荒い息を付く
重なった時間だけ
永遠が肩を抱く
触れ合った時間だけ
気持ちが暴走する
朝も夜もない部屋
たどり着く場所は
一体何所なんだろう
何時なんだろう
甘い声でまた耳元で囁く
もっと触れていたい
もっと側に居たい
もっと時間を忘れたい
この空間と時間と二人が永遠だったらそれこそ