詩人:野上 道弥 | [投票][編集] |
私の空色の瞳にも
きっと私は気付いたりしない
ずうっと遠くしか映さないから
私の存在よりも
今は一片の蝶々
空色よりももっと希薄で可憐だけど
私の遠い未来を
何らかかの形で
小さな羽根が運んでくる
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少し前から夢に見てた
君からの
おやすみなさい
優しい声と言葉達は
悔しいけれど
建物が電波を邪魔して
少し聞き取りづらかったんだ
そんな心残りはあったけれど
君と話ができてよかった
僕もそう想うんだ
いつもはずっと文字だけのお話
これからもずっと心からのお話
君が目覚めるまで僕はずっと起きている
だからそれまで おやすみなさい
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そう言えば
僕らが初めて話をしてから
随分の時間が経ったけれど
君は相変わらずいつもの調子で
僕や僕たちを楽しませながら
それでも
君はいつも心の引っかかりを
消せずにいたような気がするよ
思い過ごしならいいけれど
今度じっくり話そうか
もう少しお互いのこと
気晴らしになるようなこと
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秋の砂浜は
もう冬の風が走って
砂浜踏みしめる音一つ
一人歩きが余計に寒さを感じさせるけれど
暖かいミルクティの缶を握り締めて
ただただずっとずうっと
月の無い星空見上げて
波の向こうの君の最後の笑顔
想い出してみる
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僕が居る時間は
想い出から動いていないんだ
二人が笑ってた時間も
愛しあった時間さえも
無駄に想い出さないように
思い浮かべないように
夢からも消し去って
もう一度二人始めた時に
あの日の続きから再会するように
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果報は寝て待て
そんな言葉当てにしていたような
してないような
足りなかった最後の一欠片
君をずっと待ってた
決心してくれてありがとう
心からありがとう
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街には気の早いアヴェ・マリアが流れてて
ほんの少し前まで暖かく
まだ秋が負けないように頑張っているのに
港には光に溢れた
青色のツリーがあった
その前に座って ただ 何をするわけでもなく
あなたの声が聴こえたかのように
やっぱり声が聴きたくて
ツリーの周りを目を閉じて一回り
もし この場に貴方がいたら
何て言うのかしら
何をしてくれるのかしら
そっと目を閉じて
キスをせがむように
爪先立ち
青色の影だけは
私の影にキスをくれるのに
私は一人で空回り