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野上 道弥の部屋


[59] 嫉妬
詩人:野上 道弥 [投票][編集]

何も出来なくて
何も出来なくて
何も出来なくて

君が涙に濡れる夜も
何も出来なくて




上司達は
君のくだらない噂を
俺の横で
するだけ

お前達は知らない

俺があの子に惚れてることを

お前達が語るなよ
お前達にあの子の何が解る
くだらない噂が
あの子を傷つけることも
知らないくせに

お前達でさえも
何も出来ない
何も出来ない
何も出来ない

だが
お前達に何かが出来るとしても
して欲しいとは想わない

お前達にして欲しいことは
あの子に触るな
あの子を語るな


俺以外
誰もあの子に近づくな


俺でさえも
何も出来ないで居るのだから
何も出来ないで居るのだから



あの子に何か出来るのは
あの子の涙を止められるのは
あの子を微笑ませることが出来るのは
落ちつかせることも
肩を抱き寄せることも

一番近くで何か出来るのは

あの子が 兄 と慕う

あの男だけ

 
あの男にも渡したくないのに
敵わないでいる俺

お前もあの子に近づくな
その手を離せよ
何でもない笑顔で話しかけるなよ



だが
見ているだけで
そう思うだけで
何も出来ない俺

ことごとく無力さを感じる

2003/03/25 (Tue)

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