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中村真生子の部屋  〜 投稿順表示 〜


[231] 野外ステージ
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灰色の空に響くよ

澄み切った歌声が…。

その歌声に合わせて

みんなが歌を口づさむ、

喜びに満ちた心で…。

すると雲が切れて

青い空が見えてきた。

すると雲は消えて

お日様が見えてきた。

青い空に響くよ

澄み切った歌が…。

光とともにこだますよ

喜びの歌が…。

すっかり雨は上がり

爽やかな風が通り過ぎていく。

澄み切ったあの歌声には

青い空がよく似合うから…。

喜びに満ちた心には

きらめく太陽がよく似合うから…。

2012/09/23 (Sun)

[232] 木漏れ日のバラ
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冬が来ることを

知っているのか

秋のバラ。

木漏れ日の中

愛しむように

光を抱く…。

そのかぐわしい

匂いとともに…。




2012/09/24 (Mon)

[233] 風とトンビ
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散歩をする人はまばらで

釣り人はまったくいないほど

強風が吹き荒れている朝。

海は白波と轟音を立て

川は逆波が立っている。

草木は激しくたなびき

人は押されそうになる。

人間にとっても

草木にとっても受難の朝。

けれど彼は違う。

そう、トンビにとっては…。

待ってましたとばかりに

風に乗り

技を披露するよう

大きな円を描きながら

ゆうゆうと空を舞う。

頭を上げてその姿に見とれ、

風の朝が少し楽しくなる。

トンビのことを英語では

Black kite(黒い凧)と言うらしい。


2012/09/25 (Tue)

[234] 青年の白ネギ
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農家の人が持ち寄った

野菜の売り場で

ぎゅっと口を一文字に結んだ

青年に出会う。

名札をつけていたので

出品をしている人に違いない。

そのぎゅっと結んだ口が

印象的で

名札の名前の

野菜を探してみる。

すると、入り口に近い

特別栽培のコーナーにその名前が…。

ぎゅっと結んだ口のような

真っ直ぐな白ネギぎをカゴに入れる。


2012/09/26 (Wed)

[235] 見上げた空の青さが切ない朝。
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庭の曼珠沙華が咲き誇り

草むらでは薄がしなやかな穂を

気持ちよさそうに揺らしている

秋晴れの爽やかな朝。

見上げる

澄み切った青い空が

目を滲ませる。

「sky bar」で友が

飲んでいる気がして。

変わらぬ温かいあの笑顔で

時折、手を振りながら。

そして、手を振りかえす、

「また飲もうね」と。

お母様と

友の思い出話をした翌朝に…。



2012/09/27 (Thu)

[236] 実りの秋
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朝、山を越える列車に乗る。

田んぼは

実りの季節を迎えて

金色の輝き、

あるいはすでに刈り取られ、

山間のそば畑には

一面の白い花。

実りの秋が車窓に広がる。

東側の窓を見ると

カーテンが閉められていた。

その隙間から

絞りたての

エキストラヴァージン

オリーブオイルのような

黄金色の光が

床にとろりと流れ込む。

列車が揺れるたびに

とろりとろりと…。

列車の床も実る秋。


2012/09/28 (Fri)

[237] あなたのそばで…
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花は咲く

心を寄せる

あなたのために…。

雨の日はともに泣き

日照りの日はともに憂い。

花は咲く

心を寄せる

あなたのために…。

風の日はともに震え

雪の日はともに凍え。

花は咲く

心を寄せる

あなたのために…。

今日もこうして

ほら、あなたのそばで…。


2012/09/29 (Sat)

[238] 地球(ふるさと)の歌
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風のない雨の朝。

川面に落ちた雨粒たちの

丸くて小さな波紋が

なめらかな水面に響きあう。

青海波の模様となって…。

やがて

川に潜った雨粒たちは

中から真珠を拾いあげ

水の上へと放り投げる。

落ちるたびに一つずつ…。

そうして

川と雨は

オルゴールの楽譜となって

流れてゆく。

奏でているのは

地球(ふるさと)の歌。



2012/09/30 (Sun)

[239] ふうせんかずら
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こぼれ種で育った

ふうせんかずら。

茶色くなった

ふうせんの中には

ハート模様の種が3つ。

忘れかけていた

小さな、

けれど大切な

夏の思い出。



2012/10/01 (Mon)

[240] 虹の大縄跳び
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山の端に日が昇り

川面に金の道を作り始めたとき

頭上の黒い雲から

パラパラと冷たい雨。

「もしや!」

と天を仰げば

「やっぱり!」。

大地から大地へと

きれいな半円形の虹。

ひとりで縄跳びをするには

大きすぎるから

「そうだ!」

みんなで大縄跳びを

するとしよう!


2012/10/02 (Tue)
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