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中村真生子の部屋  〜 新着順表示 〜


[80] 然りの道
詩人:中村真生子 [投票][編集]

想いがゆらぎ

互いのゆらぎが重なって

重なりの密度が増し

今日もかしこでビッグバン。

それぞれの

新しい物語が紡がれていく。

偶然のように。

けれど

時が経ち

振り返れば

そこに

ゆるぎなき必然の道。



2012/04/17 (Tue)

[79] 雑草ガーデン
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今、庭でいちばん勢いがあるのは

カラスノエンドウ。

ピンクの小さな花が咲く草花だ。

その繁殖力にはすさまじいものがあり

確実にテリトリーを増やしつつある。

抜かなければと思っていたところ

“バラは雑草と育てよう。

カラスノエンドウは土壌改良に欠かせない。

絶対抜かない大切な雑草”という記事が目に留まる。

確かに伸び放題のカラスノエンドウの中で

バラばかりか

ムスカリやハーブ類も元気に育っている。

虫を食べてくれる七星てんとう虫の姿もちらほら。

雑草は土を耕し、有機肥料を供給し

枯れるとマルチングや肥料の効果もあるという。

ドクダミやクローバーやナズナもしかり。

きっと草花たちは

寂しがり屋だったり

おせっかい好きだっりするのだろう。

だからきっと仲間といると元気になるのだろう。

私たちがまたそうであるように…。

そんなわけで今年は雑草ガーデンにトライ!

草取りをさぼろうというわけでも

半分ありますが…。


2012/04/16 (Mon)

[78] キミとワタシ
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山笑う。

キミよ

4月の山のように

朗らかたれ。

地歌う。

ワタシよ

4月の大地のように

大らかたれ。

キミとワタシ

山と地のように

二人で一人。

キミとワタシ

山と地のように

一人で二人。


2012/04/15 (Sun)

[77] 夏の王
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花吹雪舞う道を

カラフルなサイクルジャージを

身に着けた

自転車の集団が通り過ぎていく。

今年も夏の使者がやってきた。

彼らは週末ごとに数を増やし

そのたびに夏を連れてくる。

暑くて熱い夏を。

そして7月

一発の号砲が夏空に響く。

それを合図に彼らは

使者としての衣を脱ぎ捨て

王として走り出す。

沿道の人々からの祝福を

一身に受けながら…。

スイム3.8q、自転車180q、ラン42.195q

という夏の王にふさわしい

途方もなく険しく辛い道のりを。

*第32回日本トライアスロン皆生大会は7月15日(日)


2012/04/17 (Tue)

[76] 薄紅色の雨が降る季節に
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幼子は

花びらを集めていた。

ビニール袋いっぱいに。

「何をするの?」と聞くと

「ぱあっとする」のだという。

おばあちゃんの手と

ビニール袋を握りしめて

よちよちと山の上の方に登っていった。

きっといちばん高いところで

ぱあっとするのだろう。

桜にそんな楽しみがあることを

幼子に教えてもらう。

咲き誇る桜だけでなく

散った桜にも

楽しみがあるのだよと…。

ずっと面白い

楽しみがあるのだよと…。

1年に1度

薄紅色の雨が降る季節に。

あの子の小さな手からも

薄紅色の優しい雨。




2012/04/13 (Fri)

[75] 4月の初詣
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雪や所用で

のびのびになっていた

出雲大社へ初詣に行く。

以前はちゃんとお正月に行っていたが

母も年を取り

寒さや人ごみがこたえるようになり

最近は行けるときに行くようになった。

去年は3月

今年は4月になってからと

今までいちばん遅い初詣だけれど

こうしてまた

みんなで来られたことを

神様に感謝する。


2012/04/12 (Thu)

[74] 
詩人:中村真生子 [投票][編集]

満開の桜の園を歩く。

ここは個人の所有地で

桜の時期だけ日没まで解放される。

他に人はひとりしかおらず

街の中にあって

ひっそりと静寂に包まれていた。

多くは染井吉野と伊豆吉野の古木。

そして、その枝という枝に

その枝の先の先までびっしりと満開の桜。

全身が花と化し

桜は今、どんな気持ちで佇んでいるのか。

何かわかりはしないかと

そっと幹に手を当ててみる。

すると、ぼろぼろになった樹皮が

手のひらをちくりと刺した。

どの木もどの木も…。

それが返事であるかのように。


2012/04/11 (Wed)

[73] チューリップ
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海も空も山も灰色で

風もなく

なにもかもが

眠っているような花曇りの日。

庭に出ると

かわいいあくび声が一つ。

朝まで蕾だった

チューリップが咲いていた。

眠りから覚めた

童のように

あどけない頬を桃色に染めて…。

あらゆるものの

眠りの中で生まれた

チューリップよ。

さあ、たくましく花開き

仲間たちを目覚めさせよ。

最初に目覚めたものの役割として。

そして皆と

庭に春の息吹をもたらせ。

2012/04/10 (Tue)

[72] 花の想い
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「美しい、美しい」と愛でられて

花は歌う。

朗らかな声で…。

「私は確かに美しい。

けれど

私を咲かせているのは

根(祖先)であり

葉茎(家族)であり

師(太陽)であり

友(雨や風)であり

あらゆるご縁です」と。

「美しい、美しい」と愛でられて

花は歌う。

愛でるものの心に

自らの胸の内に。

あらゆるご縁を愛おしむように…。

この永遠の瞬間に。


2012/04/09 (Mon)

[71] 春の宵
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外はもう暗いけど

カーテンを開けていたい

春の宵。

昼間見た

咲き誇る桜に

酔いしれながら…。

その下で

重ねてきた日々に

思いをはせながら…。

外はもう暗いけど

カーテンを開けていたい

春の宵。

心ほの白い

春の宵。

闇に浮かぶ桜のように…。



2012/04/08 (Sun)
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