曇をまとった空がフェイドアウトするように光を失っていく。道づれにするようにすべてのものの光も奪っていく。石につまづいた拍子にすとんと違う世界に落ちてしまいそうな逢魔が時。息をひそめて窓辺に佇む。東の空には涙で滲んだような月明かり。
[前頁] [中村真生子の部屋] [次頁]