詩人:中村真生子 | [投票][得票][編集] |
鈴の入った球を打ち合う
サウンドテーブルテニス(ゴロ卓球)を
教えてもらった。
ボールが
台からはみ出して落ちた様子
ネットにひっかかった様子
途中で止まった様子
枠を超えて飛び出した様子
枠を超えて飛び出したボールに
タッチしてしまった様子…
あらゆる状況を
彼はボールに入っている
鈴の音だけでジャッジする。
素早く、正確に。
「すごいですね」というと
「長年やっているとわかる」と
いともなげに答える。
彼は私が見えていないものが
たくさん見えているのだろうと確信する。
そっと目を閉じ
台を転がる鈴の音を聴きながら…。