天井画の秘密ハス、クロッカス、菖蒲、ススキ、ジギタリス、サボテン、葡萄、紅葉…。鹿児島神宮本殿の天井に描かれた美しいボタニカルアート。いずれも身近な花や野菜、果物の絵だが宝暦6(1756)年島津重年公により再建された折サボテンやメロン、ケイトウなどは日本になかったとされている。薩摩藩の密貿易の証だという。明治になって150年弱。鹿児島は今もアジアの匂いが色濃く漂う。夜のとばりが下りるといっそうその密度を増して…。
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