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中村真生子の部屋


[17] 雨の匂い
詩人:中村真生子 [投票][得票][編集]

目が覚める。

町はもう目覚めているのだろうに

ひっそりと静かで

陽はもう昇ってるのだろうに

まだほの暗く…。

子守唄のような柔らかな空気が

部屋を満たしている。

こんな日は決まって

雨が降っている。

起き上がって外を見ると

やっぱり雨。

海を、大地を、家々を

慈しむように粉ぬか雨が降り注ぐ。

窓を開けて雨の匂いを楽しむ。

また少し春を連れてきた雨の匂いを…。

2012/02/14 (Tue)

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